光沢ある滑らかでしっとりとした手触りの上質な正絹に、白の地と、裾元の澄んだ青が高貴で洗練された印象の振袖です。 チークのようにふんわりと色づく暖かな色味が、単なる白地とは異なる点かと思います。 裾の青には、贅沢にも金箔が煌めき、正面に咲き誇る牡丹には金駒刺繍が施されています。 「金駒刺繍」刺繍技法のひとつであり、刺繍針に通せない太い糸や金糸などを木製の駒（糸巻きの一種）に巻いて、それを転がしながら刺繍糸を下絵に沿ってはわせ、綴糸で留めていく技法で、着物の柄に華やかさと立体感を引き立たせる、高額商品によく用いられる刺繡です。 春の桜に、夏の菖蒲、桔梗、そして芙蓉。 秋の紅葉に、冬の梅…と、伝統的な四季の花々が描かれており、場面や季節を問わずお召いただけます。縁起の良い柄ですので、成人式の他にも初詣や初釜等のおめでたい場に最適です。 レンタル着物屋さんなどで卒業式のセットをレンタルする場合は、袴で胴から下が隠れてしまうため、総柄の小振袖が提案されていますが、格式を重んじたい方には個人的には振袖がおすすめです。 こちらは柔らかな色味ながらも、肩から裾、袂までしっかりと柄が入っておりますため、袴に合わせてお召いただくのもよろしいかと思います。卒業式はお世話になった先生方への感謝を示す場でもありますので、品があり凛とした柄行がそのような場面に適していることと存じます。 職人さんの丁寧な手仕事によってつくられたお着物は、昨今のインクジェットプリントで印刷された柄や色つけとは異なり、大変繊細で美しいものです。 派手で色柄の振袖も避けたいけれど、古臭く見えてしまう昔の振袖も避けたい…という方に、お勧めです。 白の振袖は肌を美しく、色白に見せる効果もあるそうです。 この機会によろしければ是非ご検討くださいませ。